Aqua Light

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2007.12.3  Aqua Light 管理人:水月

白眼子

白眼子 (潮漫画文庫) (2006/06) 山岸 凉子

 またしても、お凉さまの漫画です。
 『白眼子』タイトルだけでは全然内容が想像できませんが、
たぶんあらすじを聞いても内容を想像できないようなお話だと思います(笑)

 戦後の混乱期に、小樽の市場で迷子になってしまった少女と、
人知を超えた力を持った盲目の男性「白眼子」の不思議な縁を描いたお話。

 白眼子は「運命観相」を生業とする男性で、当時は遠く離れた戦地にいる
身内の安否を聞きに来たりする人などを相手に仕事をしていました。
 主人公の少女は3歳か4歳のころに彼に拾われ、
彼と、その姉「加代」のもと、小樽や札幌で生活していましたが、
17歳になったある日、従姉妹だという女性が彼女を訪ねてきて、親族がいたことが分かります。
そして、祖母を訪ねて函館に行くことになった主人公ですが、
その後、函館に留め置かれることになり、白眼子とは音信不通になってしまいます。
月日がたって、高校を卒業し、結婚した主人公は北海度を離れましたが、
仕事中の事故で夫を亡くし、また函館に戻ってきます。
 なんとか女手一つで子育てをしていたある日、
新聞のたずね人欄で加代が自分を探していることを知ります。
待ち合わせの場所は苫小牧の病院。白眼子は病床にありました。

 物語は主人公の女性の回想で語られ、細かなエピソードや、
実在のモデルがいると思われる登場人物など、
「これって実話でしょ!!?」と言わずにおられない、真実味のあるお話です。
(あえて物語の最後に「フィクションです云々」と描かれていますが)
 白眼子の力は一般的には「胡散臭い」と言われるものかも知れませんが、
彼を信じるでも疑うでもなく、彼の側にいた主人公の素直な目線が、
読者にも不思議な力をすんなりと受け入れさせてくれる役に立っていると思います。
 また、北海道の風俗や、戦後から高度成長期にかけての日本の風潮など、
親しみや懐かしさや説得力のある描写が多く、それだけでも読み応えのある本です。

 個人的には「加代」が好きです。
 彼女自身が子供っぽく無邪気なところがあるため、子供の気持ちが分からずに無遠慮な言葉で主人公を傷つけたりもするけれど、情に厚く、可愛らしい人。この人の北海道弁や、お料理下手なところや、ふくれた態度や、主人公と再会した時の表情などが絶妙です。こんな人も「本当にいそうだなあぁぁぁ」と思います。
[ 15:05:26 2008/08/29 ] | 漫画 | CM(0) | TB(0)
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